当課について
特色
臨床工学技士は近年、複雑かつ高度化された医療機器を安全に使用するため医学と工学の両面を兼ね備えた比較的新しい国家資格です。現在19名の臨床工学技士が医師の指示の下、看護師、他の医療技術者とチームを組んで生命維持装置の操作ほか各種医療機器が安心して使用できるように保守点検を行っています。
各業務について
血液浄化業務(透析センター)

日本最大の国際空港まで約6キロメートルと近く、透析センターの窓からは世界の航空会社の離着陸のロケーションと、災害拠点・第三次救急指定・感染症指定・精神応急入院指定他様々な指定病院である当院の透析センターは15床で、透析導入(年間:40名から50名)と、千葉県・茨城県の医療機関(年間:約190名)と病診連携して、加療・検査期間中の透析を中心に行っています。AKI・CKDの急性増悪透析、旅行など臨時透析も行っています。また、緊急透析時においても24時間オンコール体制で対応しています。血漿交換療法(PE/DFPP)、血漿吸着療法(免疫/LDL/BIL)、血液吸着療法(DHP/PMX/レオカーナ)、吸着式血球成分除去療法(GCAP)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)等、特殊血液浄化業務も行っています。
その他に当院は血縁者・非血縁者間の骨髄採取、移植認定施設であり、細胞治療(自己またはドナーの細胞を採取・濃縮処理を行い血液悪性疾患等の移植を行う方法)にも2016年から携わっています。
臨床工学技士は担当2名で、人工透析装置の準備、施行中の管理はもちろん、水質管理、RO水作製装置、透析液作製・供給装置などの点検保守や修理も行っています。
更なる医療の質の向上と安全管理を遂行し、医師や看護師と連携して患者さんが安心される円滑で確実な血液浄化を提供できるよう努めています。
手術室業務(2017年4月から)

手術室では多種多様な医療機器が使用され手術が行われています。これら医療機器に対応するため、手術室においても業務を開始しました。要望される医療機器は、内視鏡下手術システム、手術用マイクロ顕微鏡、各種生体情報モニタ、電気メス、レーザー装置、周辺医療機器など多数あり、今後順次対応していく予定です。臨床工学技士が介入することによって機器トラブル時など即時対応による安全性の向上、手術室の効率化に貢献できるよう努めています。
人工心肺業務

心臓、大血管などの手術中、一時的に生体の心臓ポンプ機能、肺のガス交換機能を代行する人工心肺装置を操作しています。日本体外循環学会の勧告を遵守し、安全に手術を施行できるよう体外循環記録、心筋保護装置、各種生体モニタリング、自己血回収装置等の準備・操作を行っています。
また、手術室以外においても補助循環(PCPS/ECMO)、IABPの準備・操作・保守を実施するとともに近年増加している、胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト術に対しても臨床支援を行っています。
医療機器管理業務

先進医療を支えるためには、高度医療機器は欠かせません。
院内にはさまざまな医療機器がありますが、輸液ポンプなど汎用機器の機種統一による操作の共通化、中央貸出しにより常にベストの状態で安全に使用できるように保守、点検を行っています。
また、機器を安全、正確に使えるように、使用方法等の院内教育なども支援しています。
各病棟ベッドサイドモニタ、セントラルモニタに関しては保守点検時に時刻の修正を実施し、医療記録への時刻の整合性にも配慮しています。
血管内治療内科業務

血管内治療内科部門では、虚血カテーテル業務・不整脈関連業務の治療を行っています。医師・看護師・臨床検査技師・放射線技師と共に治療に努めています。
虚血カテーテル業務では冠動脈造影・経皮的冠動脈インターベーションの検査や治療時にFFR、画像診断装置(IVUS/OFDI)、ロータブレータ、ダイヤモンドバック、ショックウェーブ、補助循環装置(ECMO/IMPELLA/IABP)、人工呼吸器などの操作・管理を行っています。末梢血管形成術の検査や治療も行っており、急性期にはIndigo Systemを用い血栓吸引を行っています。
また不整脈関連業務では、カテーテルアブレーションにおいて心臓3Dマッピング装置・カーディオラボの操作を行っています。各デバイス(ペースメーカ/ICD/CRT)の植え込み・交換にも携わり患者さん一人一人に合った設定を行うために、デバイスチェックなども行っています。
呼吸療法業務

人工呼吸器を常にベストの状態で安全に使用できるように保守、点検を行っています。
一般病棟の人工呼吸器の機種を統一することにより、安全性の向上と効率的な運用を実施し、使用中の人工呼吸器については、動作確認の為に毎日(病院休業日を除く)病棟を巡回しベッドサイドにて点検を行っています。また、各病棟において定期的な回路交換業務を行っています。
一般病棟の人工呼吸器の機種を統一することにより、安全性の向上と効率的な運用を実施し、使用中の人工呼吸器については、動作確認の為に毎日(病院休業日を除く)病棟を巡回しベッドサイドにて点検を行っています。また、各病棟において定期的な回路交換業務を行っています。
病棟で患者さんの観察方法や、人工呼吸器の使用方法、アラームの対応方法などを各科の患者さんの状態に合わせた勉強会を実施しています。
集中治療業務
当院は3次救急施設のため、24時間体制で新生児から大人までの重症患者さんの治療を行っています。そのため、ICU8床、HCU5床、NICU9床、GCU12床あり、CHDF導入や回路交換なども毎日行っています。また、低体温療法、NO療法などの管理も行っています。
スタッフ紹介
保有資格(学会認定・修了)
2025年3月現在
- 透析技術認定士:5名
- 3学会合同呼吸療法認定士:2名
- 体外循環技術認定士:4名
- 心血管インターベンション技師:3名
- 植え込み型心電図不整脈デバイス認定士:2名
- 第2種ME技術実力検定:12名
- 医療機器情報コミュニケータ(MDIC):1名