令和元年度　病院指標

内科では、総合内科、消化器内科、血管内治療内科、腎臓内科、血液腫瘍科、腫瘍内科、糖尿病・内分泌代謝内科、リウマチ・アレルギー内科を標榜しており、疾患では狭心症の患者さんが最も多くなっています。当院の狭心症の治療はカテーテル検査で、75%以上の有意な狭窄があっても、運動負荷検査や核医学検査やカテーテル検査時に血管内超音波検査、光干渉断層法、冠血流予備量比などを極力併用してカテーテル治療（PCI）の適応を厳密に決めてPCI治療を行うよう心がけています。

小児科では、インフルエンザやウイルスなどによる肺炎や急性気管支炎などの呼吸器感染症の症例が多くなっており、感染力が強い乳幼児から学童まで幅広い年齢の方が入院しています。小さいお子さんたちにとって予防と治療が重要です。また、新生児科が取り扱う早産児から20歳（満21歳未満）のあらゆる内科疾患に対応しています。

外科で最も多い症例は鼠径ヘルニアです。当院では、悪性腫瘍に対して開腹手術だけでなく、腹腔鏡下による切除手術も積極的に施行しております。また、下部直腸癌に対して肛門温存を目的に術前化学放射線療法や内肛門括約筋切除術を施行しております。乳腺の悪性腫瘍に対しても症例によっては術前化学療法を施行し、切除術だけでなく積極的に乳房温存手術を行っています。悪性疾患だけではなく、良性腫瘍、虫垂炎、大腸憩室炎、クローン病、潰瘍性大腸炎等の炎症性疾患に対する外科的治療も行っています。

整形外科では、高齢化に伴う骨粗鬆症の影響で発症する大腿骨近位部骨折が最も多い症例となっています。なお、効率的なリハビリを行えるよう地域連携パスを導入しているため平均在院日数も短くなっています。また、関節、膝関節疾患については、適応があれば人工関節置換手術を行っており、痛みと生活の不自由に対する大幅な改善が得られています。手術は可能な限り低侵襲を心がけており、特に人工股関節手術では筋力を落とさず術後早期からリハビリの可能な手術方法を考慮しています。

一番多い症例は、前立腺の悪性腫瘍です。手術が必要な患者さんについては、ロボット支援下前立腺全摘術（ダビンチ）や開腹による根治的前立腺全摘術等を行います。当院では、膀胱がんの治療に対し経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行し、必要に応じその後膀胱内薬物注入療法を行います。膀胱全摘術+尿路変更術が必要となるケースもあります。尿路変更術を行った患者さんに対するアフターケアとして、WOCナースと協力し、ストーマ外来も行っております。

脳神経内科では、脳梗塞の入院が最も多くなっています。当院では虚血性脳血管障害の急性期治療、脳炎・髄膜炎などの炎症性神経疾患、ギラン・バレー症候群・多発性硬化症などの神経免疫性疾患、神経難病の合併症治療などを主に診療しています。

脳神経外科では、非外傷性頭蓋内血腫の患者さんが多く、破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳出血などの急性期出血性疾患の外科的治療を中心に、頚動脈狭窄症、頭蓋内動脈狭窄・閉塞などの慢性期脳血管障害に対しても、内膜剥離術やバイパス術を数多く行っています。血管内治療では、血栓回収療法、急性期頚動脈ステント留置なども行っています。脳血管障害だけではなく、頭部外傷、脳腫瘍（髄膜腫、聴神経腫瘍、下垂体腫瘍などの良性疾患、神経膠腫、転移性脳腫瘍などの悪性疾患）、特発性水頭症、半側顔面けいれん、三叉神経痛など脳神経外科疾患ほぼすべてに対応しています。

当院は耳鼻咽喉科領域疾患全般に対応しています。特に重症感染症・外傷・異物・突発性難聴・顔面神経麻痺など緊急入院数が多くあります。輸血を必要とするような重篤な鼻出血にも対応しています。

産婦人科で一番多い症例は、卵巣の良性腫瘍です。良性婦人科疾患は、薬物治療はもとより、手術に関しても開腹手術、経腟的手術、腹腔鏡手術、あるいはその両方を併用した手術、子宮鏡手術などさまざまな手術をできるだけ侵襲の少ない方法を選択し、早期離床、早期退院を目指しています。特に内視鏡手術（腹腔鏡手術、子宮鏡手術）は近年増加傾向にあり、早期退院が増えています。当院の腹腔鏡手術は麻酔科の協力を得て、深夜早朝などの緊急時の子宮外妊娠手術にも積極的に行っている点が特徴です。

一番多い症例は、肺の悪性腫瘍で、当院の肺癌手術は、体にやさしい手術で肺機能温存を目指した、低侵襲手術の完全胸腔鏡下手術あるいはHybrid 胸腔鏡下手術(切開創8cm )で行います。手術侵襲が軽くなり高齢の患者さんも術翌々日には歩行が可能です。このように小さな創の手術は体に優しくそして安全なものになりました。また、肺切除術は肺機能が減少する手術ですが、可能な限り肺機能温存を目指した手術も心がけています。気管支形成術、肺動脈形成術を行うことで肺全摘術、右肺中下葉切除術などを回避し、肺を可能な限り残存させ合併症なく良好な術後経過で退院されることとなります。

眼科で一番多い症例は、白内障です。手術は程度等に応じてレーザー虹彩切開術もしくは白内障手術を行っています。その他加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症に対する抗血管内皮増殖因子（VEGF）薬による治療も行っています。

心臓血管外科で多い症例は、非破裂性大動脈瘤です。 当院では、血管内治療内科と連携して、成人の心臓血管外科領域のほぼすべての疾患に対し、最新の治療を行っています。大動脈、腸骨動脈領域の疾患に対しては、血管内治療（カテーテル治療）を積極的に行っています。なかでも胸部、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は低侵襲治療であり、従来手術が困難な超高齢者、高度の合併症を有する患者さんにも治療が可能です。

当院では、一般的な皮膚皮下腫瘍摘出手術から手指、四肢切断に対して再接着、頭頚部、皮膚、乳腺の悪性腫瘍に対する再建手術を行っています。
顔面骨折を含む重度顔面外傷も多く扱っています。また顕微鏡で患部を拡大し、神経や血管の操作を行う精密な手術（MicroSurgery）も行っています。

一番多い症例は、膿皮症です。当院は陰圧個室管理が可能な感染症病棟を備えており、汎発性帯状疱疹や水痘など入院を要する感染性皮膚疾患の患者さんを受け入れています。

一番多い症例は、鼠径ヘルニアです。 小児外科における年間入院患者数は154人、術件数は48件で主な手術はヘルニア手術になります。

当院では早産児の取扱件数が多いため、※が上位となっております。