臨床心理課には、臨床心理師資格および公認心理師資格の両方を持つスタッフが在籍しています。
当院での主な業務は、精神神経科や小児科、新生児科、血液腫瘍科、緩和医療科、脳神経内科、脳神経外科など多岐にわたる診療科において主治医や他職種と連携し、患者さんやご家族の方に対して心理検査や心理療法といった心理的支援を行っています。また、職員のための「こころの健康相談室」を設け、職員のメンタルケアを行っています。
知的能力や発達水準、性格傾向、認知機能などを多角的、客観的に測定し、診断や治療計画などに役立てるため、知能検査、発達検査、人格検査、神経心理検査など各種取り揃えています。必要に応じて、幼少期からの発達の経過(成育歴)を詳細にお聞きすることもあります。心理検査は、時代や文化の変遷、最新の研究動向などに合わせて改訂されたり、新たに開発されるものもあり、当院では最新の心理検査で対応できるように取り組んでいます。
検査を希望される場合は、精神神経科や小児科、新生児科、脳神経内科、脳神経外科などで検査の予約ができますので、受診している科の主治医に相談してください。心理検査の結果は、患者さんご本人やご家族の了承を得た上で、必要に応じて、幼稚園や小中学校、他医療機関などの他施設と情報共有や連携をとることもできます。
主に精神神経科の患者さんやそのご家族の方を対象に、外来でカウンセリングや精神分析的心理療法、遊戯療法、箱庭療法、芸術療法、認知行動療法など、さまざまな臨床心理学的技法を用いた心理療法を行っています。原則として、担当心理師や曜日、時間などを固定し、継続的に来院できる方を対象としています。ご希望のある方は、主治医に相談してください。
精神神経科や小児科に通院している「不注意や落ち着きのなさ」をもつお子さんのご家族を対象に、外来でペアレント・トレーニングのグループを行っています。ペアレント・トレーニングとは、行動療法をもとに子どものほめ方や指示の伝え方など具体的な関わり方のスキルをグループで学ぶ、親のためのプログラムです。詳細につきましては、主治医とご相談ください。
また、精神神経科や小児科に入院中の患者さんを対象に、創作活動を中心とした集団心理療法を行っています。集団の場で創作活動を行うことによって入院生活の気分転換を図るだけでなく、自信の回復や対人関係スキルの構築、長期入院によるストレスケアなどを目指したリハビリテーションとして取り組んでいます。
入院された患者さんには医師や看護師のほか、さまざまな職種のスタッフが関わります。当院では、一般科病棟に入院された患者さんの精神科的なケアをするために、精神科リエゾンチームが構成されており、精神科医師、看護師、精神保健福祉士、薬剤師とともに心理師も心理的支援を行っています。
また、がんを患っている方の苦痛を緩和することを目的とした多職種チームである、緩和ケア支援チームでも心理師が対応にあたっています。
入院中の不安な気持ち、とにかく話を聞いてもらいたい、他の人には相談しづらいなど、さまざまな相談に対応しています。入院中に相談したい、話を聞いて欲しいなどのご要望のある方は、入院病棟の看護師や主治医にお声かけください。
職員のための「こころの健康相談室」を設け、職員の相談を受けたり職務環境のコーディネイトなど職員のメンタルケアを行っています。また、休職された職員に対しては、産業医とともに定期的な面接を行い復職のフォローアップも行っています。
公認心理師/臨床心理士:常勤4名、非常勤1名