当科について
初診に関するご案内
初診患者の受付時間 |
月曜日から金曜日 |
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初診時の紹介状について |
必ずご持参ください。 |
初診予約について |
初診予約は行っておりません。 |
特色
泌尿器科では、腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍、陰茎がんなどの悪性腫瘍、ホルモンを出す臓器である副腎の腫瘍、尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)、排尿障害や頻尿、尿失禁などの原因となる、前立腺肥大症、神経因性膀胱、過活動膀胱、腹圧性尿失禁、尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石)、急性腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎など尿路感染症を扱っています。
総合病院としての強みを生かし、他診療科と協力し、他科との境界領域の疾患や他科疾患を合併している方の疾患も治療しています。
ロボット支援腹腔鏡下手術(前立腺がん)
前立腺がんに対する根治的治療として、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術を行っています。当院では、インテュイティブサージカル社の手術支援ロボット「ダビンチX」を使用しています。低侵襲な腹腔鏡手術を、3次元の拡大視野で、人の手の動きを繊細に再現できるロボットアームを用いて実現できる最先端治療です。詳細につきましては、「「ダビンチ」によるロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術」ページもぜひ、ご覧ください。


3D腹腔鏡手術(腎がん、腎孟・尿管がん、副腎腫瘍)
腎がん、腎盂・尿管がん、副腎腫瘍に対しては、腹腔鏡下手術を行っています。腹腔鏡手術とは、お腹を大きく切り開くことはせず、直径1.5cmくらいの穴を数カ所開けてポートと呼ばれる道具を装着し、炭酸ガスでお腹を膨らませて空間を作り、内視鏡のカメラをポートから挿入してTVモニターに拡大された腹部の画像を見ながら手術を行う方法です。低侵襲手術であり優れた方法ですが、従来の腹腔鏡用カメラでは、立体感が得られにくい欠点がありました。
ヒトは左右の目から別々の画像を取り込むことにより奥行きを感じることができます。当科では、オリンパス社製の3D腹腔鏡カメラを導入しています。先端には、2つのレンズが装着されており、左右別々の画像を取り込むことができます。3D専用モニターに映しだされた画像を、偏光めがねをかけて見ることにより3次元画像として認識できます。立体的に臓器をとらえることができ、より安全に手術を行うことが可能です。
腹腔鏡下腎部分切除術
小径腎がんに対しては、腹腔鏡下手術による腎部分切除術を積極的に行っています。腎臓ごと摘出するのではなく、腫瘍のみ切除してなるべく腎機能を温存する手術方法です。当科では3D腹腔鏡を用いて腹腔鏡下に手術を行っています。
腹腔鏡下根治的腎摘除術
腹腔鏡下腎部分切除術の適応とならない腎がんに対しては、腹腔鏡下根治的腎摘除術を3D視野下に行います。
腎盂・尿管がんに対する後腹膜鏡下腎尿管全摘術
腎盂・尿管がんでは、腎臓のほか、尿管も全長に渡って摘出する必要があります。そのため、腹腔鏡手術の一種である後腹膜鏡下の手術で、腎周囲の剥離と腎動静脈の処理を行い、下腹部正中の切開創から腎・尿管を摘出します。後腹膜鏡手術でも3D腹腔鏡を用いて手術を行っています。
光力学診断(PDD)を利用した経尿道的膀胱腫瘍切除術
光力学診断とは、アミノレブリン酸塩酸塩(アラグリオ)を用いて膀胱腫瘍を光らせて視認性を高める方法です。手術前にアラグリオを内服していただくと、腫瘍部分ではアラグリオが変化したプロトポルフィリンIXが正常組織に比較して多く蓄積します。青色の光をあてると腫瘍部分が赤色蛍光を発するため、視認性がよくなります。
内服されている薬によっては、アラグリオの併用ができない場合があり、術前に薬剤部とカンファレンスを行い、適応を決定しています。


尿路変更術後のストーマケア「ストーマ外来」
膀胱全摘+尿路変更術後のアフターケアは、ストーマケアを専門とするナースによるストーマ外来にてフォローアップします。
分子標的薬・免疫チェックポイント阻害剤によるがんの治療
ここ数年で泌尿器がんに対する薬物療法は急速に進歩しました。転移性腎癌に対する分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤による治療、転移性尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂・尿管がん)に対する二次治療としての免疫チェックポイント阻害剤による治療、また、一次化学療法後の維持を目的とした免疫チェックポイント阻害剤による治療を行っています。
また当院にはがん薬物療養のエキスパートである腫瘍内科があり、精巣がんに対するBEP療法やがん化学療法において院内統一レジメン作成、また今後は、遺伝子変異を利用した薬物療法やがんゲノム医療などの導入にむけて、協力体制を構築しています。
ホルミウムレーザー前立腺核出術「HoLEP」
前立腺肥大症に対して、HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術・ホーレップ)を行っています。経尿道的に、レーザーを使用して前立腺の中身をくり抜いて、尿の勢いを改善させます。出血が少なく、大きな前立腺肥大症でも手術可能です。
くわしくは「前立腺肥大症に対する低侵襲な手術「HoLEP」」ページをご覧ください。
f-TUL 軟性尿管鏡を使用した経尿道的尿管砕石術
軟性尿管鏡の進化により、腎結石も経尿道的に治療ができる時代となりました。金属製の硬性尿管鏡の時代は、腎内の結石までは届かなかったのですが、軟性尿管鏡は尿管から腎の内部にまで挿入でき、さらに腎臓の様々な部位を観察できるため、砕石可能範囲が広がっています。
当院では細径の軟性尿管鏡を装備し、レーザーを使用した結石破砕術を行っています。レーザーを用いた結石手術は砕石効率が高いのが特徴です。
体外衝撃波結石破砕術「ESWL」
腎結石・尿管結石に体の外から衝撃波を当てて、結石を砕く治療です。衝撃波は水中を伝わる波であり、衝撃波発生装置の表面にゼリーを塗り、体と密着させ、結石に焦点を合わせて破砕します。あまり大きくない結石の治療にむいています。レントゲンで位置を合わせるため、レントゲンで見えない結石には適しません。比較的痛みが軽いので麻酔は必要とせず、通常は坐薬の痛み止めのみで治療が可能です。
当科では現在、1泊2日の入院で行っています。結石破砕で定評のあるドイツ・ドルニエ社のリソトリプターD2で治療を行います。


医療関係者の方へ
前立腺がん地域連携
前立腺がん治療後のフォローアップにつき、前立腺癌地域連携パスを用いて、地域の先生にお願いしています。「前立腺癌術後」「前立腺癌放射線治療後」「前立腺癌内分泌療法」の連携パスが稼働しています。詳細につきましては、成田赤十字病院地域連携課までお問い合わせください。
電話番号(直通):0476-22-9950
受付時間:平日 午前8時30分から午後5時
前立腺癌の注視すべき患者さんの兆候と治療方法
前立腺癌の診断から治療までをご紹介します。くわしくは「前立腺癌の注視すべき患者さんの兆候と治療方法」ページをご覧ください。
スタッフ紹介
第一泌尿器科部長 大木 健正

専門分野
泌尿器科一般、泌尿器科腫瘍
資格
- 日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
メッセージ
がん治療認定医として、外科治療だけでなく抗がん剤などの薬物療法や放射線療法などの治療の中から、一人ひとりの患者さんに合った高品質ながん治療を提供できるように努めております。前立腺肥大症における新しい治療であるホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)も専門としており、患者さんに最も低侵襲で安全な治療を行ってまいります。
第二泌尿器科部長 細木 茂

専門分野
資格
- 日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医
- 日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
メッセージ
腹腔鏡技術認定医として、腎癌に対する腹腔鏡下腎部分切除術や腹腔鏡下根治的腎摘除術、腎孟尿管癌に対する後腹膜鏡下腎尿管全摘術、副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術を行っています。
また、神経因性膀胱の診断、治療も行っております。
第三泌尿器科部長 吉田 一樹

専門分野
泌尿器系腫瘍、尿路結石症
資格
- 日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医
- 日本泌尿器内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
メッセージ
泌尿器系腫瘍(腎癌、尿管癌、膀胱癌、前立腺癌など)、尿路結石症を中心に診療にあたっています。がんの患者さんに対する症状緩和の治療にも積極的に取り組んでいます。
ガイドライン等に準拠した適切な診療と、患者さんにわかりやすい説明を心掛けています。
医師 中西 雄亮
専門分野
泌尿器科一般
資格
- 日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医・指導医
- 緩和ケア研修会修了
メッセージ
患者さんの希望により沿って、病気だけでなく、心理・社会的立場なども考慮し最適な治療をできるように心がけております。些細なことでもなんでも相談ください。
医師 井内 駿太朗
専門分野
泌尿器科一般
資格
- 緩和ケア研修会修了
医師 岩井 純平
専門分野
泌尿器科一般
資格
- 緩和ケア研修会修了
外来担当医表
診療受付時間:午前8時30分から午前11時(自動再来受付機による再診受付は午前7時30分から)
区分 |
月曜日 |
火曜日 |
水曜日 |
木曜日 |
金曜日 |
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初診 |
宮内 武弥 |
大木 健正 |
細木 茂 |
大木 健正 |
大木 健正 |
再診 |
細木 茂 岩井 純平 |
宮内 武弥 井内 駿太朗 |
大木 健正 |
中西 雄亮 宮内 武弥 |
吉田 一樹 |
注意事項
- 当科は初診完全紹介制となります。
- 都合により担当医が変更になる場合があります。
診療実績(2021年)
手術件数:827件
手術の内訳
部位 | 疾患名 | 術式 | 件数 |
---|---|---|---|
副腎 | 副腎腫瘍 | 腹腔鏡下副腎摘除術 | 2 |
副腎悪性腫瘍 | 腹腔鏡下副腎悪性腫瘍摘除術 | 3 | |
腎・尿管 | 腎癌 | ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RAPN) | 1 |
腹腔鏡下腎部分切除術 | 2 | ||
腹腔鏡下根治的腎摘除術 | 12 | ||
腎盂・尿管癌 | 後腹膜鏡下腎尿管全摘術 | 3 | |
腎尿管全摘術 | 1 | ||
結石 | 経尿道的尿管採石術(TUL/f-TUL) | 81 | |
経皮的腎砕石術(PNL) | 3 | ||
体外衝撃波結石破砕術(ESWL) | 35 | ||
その他 | 尿管ステント留置術 | 53 | |
腎ろう造設術 | 6 | ||
膀胱 | 膀胱癌 | 膀胱全摘術+回腸導管造設術 | 8 |
膀胱全摘術+尿管皮膚ろう造設術 | 5 | ||
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt) | 162 | ||
膀胱結石 | 経尿道的膀胱結石破砕術 | 23 | |
その他 | 経尿道的止血術 | 2 | |
膀胱異物除去術 | 2 | ||
ボトックス膀胱壁内注入 | 1 | ||
凝血塊除去術 | 4 | ||
前立腺 | 前立腺癌 | ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術(RARP) | 35 |
根治的前立腺全摘術 | 3 | ||
前立腺生検 | 260 | ||
前立腺肥大症 | 経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP) | 40 | |
尿道・陰茎 | 陰嚢水腫 | 陰嚢水腫根治術 | 10 |
完全包茎 | 環状切除術 | 8 | |
持続勃起症 | 持続勃起症手術 | 1 | |
尿道カルンクル | 尿道カルンクル根治術 | 3 | |
尿道脱 | 尿道脱根治術 | 1 | |
尿道狭窄 | 内視尿道切開術 | 4 | |
陰茎コンジローム | コンジローム焼灼術 | 1 | |
精巣・精索 | 精巣腫瘍 | 高位精巣摘除術 | 5 |
前立腺癌 | 去勢術 | 23 | |
精索捻転 | 精巣固定術 | 2 | |
その他 | 陰嚢血腫除去 | 1 | |
その他 | 21 | ||
合計 | 827 |