人工股関節手術(THA)のよくある質問
いつ手術を考えればよいですか?
痛みや歩行障害で日常生活に支障があり、薬やリハビリなどの手術以外の治療で十分な改善が得られない場合に手術を検討します。年齢や変形の程度だけで決めるものではなく、患者さん本人の希望や生活への影響も重視して判断します。
手術に年齢制限はありますか?
年齢だけで手術の可否が決まることはありません。生活状況、全身状態や持病などを確認して総合的に判断します。当院ではこれまでに20代から90代までの患者さんに手術を行っています。
心臓・肺・腎臓の病気や糖尿病、がんなどの持病があっても手術できますか?
手術を受ける年齢層では何らかの持病がある方も多く、持病があってもそれだけの理由で手術ができないということは多くありません。当院は地域の中核病院であり、必要に応じて内科や麻酔科などと連携し、全身状態を評価したうえで手術が可能かどうかを判断します。
人工股関節手術にはどのような合併症がありますか?
主な合併症には、脱臼、感染、神経障害、術中骨折、血栓症などがあり、近年の報告では、初回人工股関節手術後の脱臼は約1%、深部感染や運動麻痺を伴う神経障害はそれぞれ1%未満とされています。これらの合併症は頻度はそれほど高くはありませんが、完全になくすことはできません。当院ではAMISアプローチや三次元術前計画、手術中の画像確認、感染予防、術後早期からの歩行や血栓予防など、合併症をできるだけ少なくするための対策を行っています。また、万一合併症が生じた場合にも、早期に発見し対応できるよう努めています。詳しくは手術前にご説明します。
手術後の痛みは強いですか?
手術した部分の痛みはありますが、手術中の局所注射(いわゆるカクテル注射)や術後の点滴、内服薬など、複数の鎮痛法を組み合わせて痛みを抑える工夫をしています。また、手術前の股関節の痛みは術後に大きく改善することが期待されます。
手術後はいつから歩けますか?
通常は手術の翌日から歩行リハビリを開始します。状態に応じて歩行器歩行、杖歩行、階段昇降へとリハビリを進めます。
入院期間はどのくらいですか?
年齢や術前の歩行能力、全身状態、術後のリハビリ経過などによって異なりますが、早い方で1週間程度、通常は10日~2週間程度で退院となります。必要に応じてリハビリテーションを継続できる病院への転院も可能です。
費用はどれくらいかかりますか?
健康保険が適用され、高額療養費制度により自己負担額には年齢や所得に応じた上限があります。入院時の食事代や差額ベッド代などは別途必要になります。詳しくは加入している健康保険や当院の医療相談窓口にお問い合わせください。
両方の股関節が悪い場合はどうしますか?
基本的には症状の強い側から手術しますが、症状や変形の程度、年齢、全身状態などを踏まえて個別に判断します。両側同時手術も可能な場合があります。
仕事にはいつ頃復帰できますか?
仕事内容や通勤方法、術後の回復状況によって異なりますが、職場と相談のうえで術後1~3か月程度で復職する方が多いです。復帰時期は診察時にご相談ください。
手術後に車の運転や旅行、運動はできますか?
術後の回復が進めば、車の運転や旅行、軽い運動なども徐々に再開できます。再開の時期は、術後の回復状況や活動内容によって異なるため、診察時にご相談ください。
人工股関節はどれくらいもちますか?
現在の人工股関節は素材や設計の改良が進み、20年、30年と長期にわたって使用できることが多いです。ただし、年齢や活動量などにより個人差があります。
まだ手術を受けるか迷っていても受診できますか?
はい。股関節に痛みや歩行障害があり、手術を選択肢として考えている方であれば、まだ手術を受けると決めていない段階でも受診できます。手術が必要かどうかや、手術の方法、時期などについて詳しくご説明し、必要に応じて検査を行ったうえで、手術が可能かどうかも判断します。初診完全紹介制のため、お近くの整形外科やかかりつけの医療機関からの紹介状をご持参ください。
(監修:成田赤十字病院整形外科 三浦医師、股関節外科)