当部について
薬剤部の理念と方針
理念
有効で安全な薬物療法を提供する
方針
- 薬物療法・医薬品管理に責任を持つ薬剤師を目指す
- チーム医療への参加
- 日々研鑽を積み、業務の向上を目指す
概要
薬剤部は、薬剤部長以下薬剤師40人、医療事務1人、調剤助手3人の計44人で構成されています。
調剤、製剤、薬事管理、医薬品情報、抗悪性腫瘍剤等のミキシング、病棟活動などの業務に加え、院内感染対策チーム、栄養サポートチーム、緩和ケアチーム、精神科リエゾンチーム、認知症サポートチーム、褥創対策チーム、糖尿病教室などを通してチーム医療に取り組んでいます。
また、医療安全管理部門、患者支援部門、臨床研究部門においても活動をしています。
組織
薬剤部には、調剤課・製剤課・薬事管理課・医薬品情報課の4つの課があり、それぞれが連携して業務を行っています。
各課の業務について
調剤課
調剤課では、下記の3点を目標に活動しています。
- 医療は日進月歩している為、最新情報の獲得に努め、得た情報を日常業務に反映させること。
- 薬害防止の観点から最小の副作用で最大の治療効果のある薬物療法が行われているかを考えること。
- 倫理的、経済的で良識のある医療を迅速かつ正確に患者さんに提供すること。
薬剤師は医師の処方箋に基づいて調剤を行います。その際、薬の用法用量や相互作用・配合変化を確認し、必要に応じて医師に疑義照会を行います。これは患者さんに安全かつ安心して薬を使用してもらうために、薬剤師が行わなければならない職務です。
更に、日々更新される医療情報を院内で共有するシステムを導入し、患者さんに対しても最新の情報が提供できるように体制を整えています。
また、患者支援センターの開設に伴い、薬剤師が入院予定の患者さんに対して入院前面談を行っています。そこでは服用中のお薬を確認し、入院する前に服用を中止する必要があるお薬などについて医師・看護師と連携して説明を行っています。
製剤課
製剤課では、抗がん剤の調製、高カロリー輸液の調製、院内製剤(市販されていない医薬品等)を行っています。無菌室が完備されており、クリーンベンチや安全キャビネットを備えています。
製剤業務は、市販品では対応できない個々の患者さんの病態に対応した特殊な処方調製の要望に応え、チーム医療の一員として臨床に貢献できるよう努めています。
抗がん剤調製
抗がん剤は、がんに有効だからといっても、けっして安全な薬というわけではなく、副作用等、身体にとって不都合な面(細胞毒性)も併せ持っています。
薬の量は、患者さんの体重や体表面積によって適切な投与量というものが定められています。
その為にレジメンと呼ばれる抗がん剤治療を行う上で重要な治療計画を立てます。薬剤師は、医師が指定したレジメンによる指示投与量について、適正であるかをチェックした上で、必要量の抗がん剤の調製を行います。
すべての抗がん剤の調製は薬剤部で担当しています。薬剤による被ばくを防止するため安全キャビネットを使用し、汚染のない安全な薬剤を供給しています。
高カロリー輸液調製
経口摂取が困難な患者さんへの栄養療法として、中心静脈栄養法(TPN:Total Parenteral Nutrition)があります。TPNは高カロリー輸液を用いることで、必要なエネルギーや各種の栄養を静脈(血管)から必要十分量を投与できる優れた栄養法です。
しかしながら、高カロリー輸液は高濃度のブドウ糖、アミノ酸を含んでいるため、細菌の生育に好ましい環境となっており、細菌の混入があった場合、感染症を発症する危険性が著しく高くなります。
そのため、高カロリー輸液の調製時には塵埃微粒子等の異物だけでなく微生物の混入を防ぐ必要があります。
製剤課では、高カロリー輸液を無菌室のクリーンベンチ内にて調製し、患者さんに安全なTPN製剤を提供しています。
院内製剤
院内製剤とは、治療や処置に必要となるが市販されていなかったり、市販されていても規格(含量)や剤形が異なったり、安定性の面から特に用時調製の必要があるもの等、各施設では様々な内容の製剤が必要とされるため、院内で作る製剤のことを言います。
調剤の迅速化・効率化を図るための予製として行うものから、まったく新たな薬剤を製造するものまで多種多様なものがあります。
医療ニーズに対応し、安全で安心かつ適正な院内製剤の調製および使用を図ることが重要と考えられます。
薬事管理課
院内で使用する医薬品の発注・購入・検収を行い、各部署へ必要な医薬品の供給を行っています。
緊急時または災害時にも対応できるよう備蓄を必要とする薬品においても注意して、常に適正な在庫量となるように管理しています。
医薬品は冷所保存・遮光保存・有効期限等、品質管理において配慮すべき点も多く、温度・光・湿気等による品質低下に注意しながら病院全体の医薬品を管理しています。
法律で厳しく規制されている麻薬・向精神薬・毒薬・血漿分画製剤の管理も行っています。
医薬品情報課
医薬品情報業務、病棟業務(薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務)に加え、治験業務を行っています。
根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine)によって、適切な情報提供、薬歴管理、副作用モニタリング、そして服薬指導を通じ、患者さん一人ひとりの薬物療法の適正化に努めています。
医薬品情報業務
医薬品には、色、形、においといった外観からわかる情報もあれば、医薬品の作用機序や副作用に関する情報、医薬品と医薬品との相互作用(相性)に関する情報のように外観からは判断できない情報もあります。このように医薬品に関する情報は膨大であり、必要な情報を取捨選択し、その情報を必要としている医師、看護師、コメディカル、事務、患者さん等にわかりやすい形で提供するよう努めています。
薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務
薬剤管理指導業務とは、薬剤師がベッドサイドにお伺いし、薬物療法を受ける患者さんに対し疾病に対する治療薬の効果・効能、副作用、服用上の注意点等についてわかりやすく説明し、患者さんにも治療に参加していただけるように、患者さん自身の薬識や服薬アドヒアランスを向上させることを目的とした業務です。
病棟薬剤業務とは、薬剤師が病棟においてスタッフの業務効率向上および薬物療法の質の向上に資する薬剤関連業務です。医薬品の使用状況の把握、入院時の持参薬の確認および服薬計画の提案などを行っています。
治験業務
「くすりの候補」の開発の最終段階では、健康な人や患者さんの協力によって、人での効果と安全性を調べることが必要です。こうして得られた成績を国が審査して、病気の治療に必要で、かつ安全に使っていけると承認されたものが「くすり」となります。人における試験を一般に「臨床試験」といいますが、「くすりの候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験は、特に「治験」と呼ばれています。(厚生労働省ホームページより)
治験実施の際には、遵守すべき薬事法やGCP省令等も考慮しながら、スピード感を持って行わなければなりません。国内における昨今の治験環境はめまぐるしく変わっており、グローバル化が進んでいます。当院は地域の中核病院として、また国際競争力を意識した治験環境を整備するように取り組んでいます。
治験事務局について詳しく知りたい方は、「治験事務局」ページをご覧ください。
新人研修について
新人薬剤師の育成年間スケジュール
認定薬剤師等の取得状況について
有効で安全な薬物療法を提供するために、広く学び資格を取得しています。
- 日本薬剤師研修センター 認定薬剤師:13名
- 日本薬剤師研修センター 小児薬物療法認定薬剤師:2名
- 日本薬剤師研修センター 漢方薬・生薬認定薬剤師:3名
- 日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師:7名
- 日本病院薬剤師会 日病薬病院薬学認定薬剤師:3名
- 日本病院薬剤師会 感染制御専門薬剤師:1名
- 日本病院薬剤師会 日病薬認定指導薬剤師:3名
- 日本病院薬剤師会 精神薬物療法認定薬剤師:1名
- 日本医療薬学会 指導薬剤師:1名
- 日本医療薬学会 専門薬剤師:1名
- 日本麻酔科学会 周術期管理チーム認定薬剤師:2名
- ICD制度協議会 ICD資格取得薬剤師:1名
- 日本腎臓学会 腎臓病療養指導士:1名
- 介護保険法 介護支援専門員資格取得薬剤師(ケアマネジャー):3名
- 厚生労働省 日本DMAT隊員:1名
- 糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士資格取得薬剤師:1名
- 日本静脈経腸栄養学会 栄養サポートチーム(NST)専門療法士:4名
- 日本医療情報学会 医療情報技師(初級):1名
- 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)スポーツファーマシスト:4名
- 日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師:1名
- 日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法認定薬剤師:1名
- 日本臨床救急医学会 救急認定薬剤師:1名
(令和5年8月現在)
医療関係者の方へ(保険薬局・製薬会社関係者の方へ)
保険薬局の方へ
がん化学療法レジメン
がん化学療法レジメンについては、通院治療センター(レジメン一覧)ページをご覧ください。
患者指導用資材
当院で作成している患者向け指導資材です。ご活用ください。
院外処方箋に関する問い合わせ簡素化プロトコルの運用について
平素より当院の処方せんを応需いただき有難うございます。
当院では、保険薬局での患者待ち時間短縮および処方医・薬剤師の業務負担軽減の観点から、院外処方箋に関する問い合わせにおいて、「問い合わせ簡素化プロトコル」の問い合わせ不要項目に該当する場合は、包括的に薬剤師法第23条第2項に規定する医師の同意がなされたとして、個別の処方医への同意の確認を不要とさせていただきます。
「院外処方箋に関する問い合わせ簡素化プロトコル」の運用は2020年8月1日から開始することといたしました。
この度、本プロトコルに「残薬調整のための投与日数の短縮」を新たに追記し、第2版として2023年6月1日より運用を開始致します。
詳細につきましては下記をご参照ください。
服薬情報提供書
適正かつ安全な薬物療法を推進するため、患者から聴取した服薬状況や副作用に関する情報など、即時性の低いものについて、当院へのフィードバックにご利用ください。
採用医薬品情報
薬事委員会情報
- 採用薬品の取り扱いについて(2024年11月22日掲載)(352キロバイト)
- 採用薬品の取り扱いについて(2024年9月13日掲載)(198キロバイト)
- 採用薬品の取り扱いについて(2024年7月19日掲載)(502キロバイト)
緊急採用医薬品情報(随時更新)
- 緊急採用医薬品のお知らせ(2025年1月10日掲載)(213キロバイト)
- 緊急採用医薬品のお知らせ(2024年12月25日掲載)(120キロバイト)
- 緊急採用医薬品のお知らせ(2024年7月12日掲載)(121キロバイト)
- 電話番号(代表):0476-22-2311
- Fax番号:0476-22-2591(医薬品情報課)
- 受付時間:午前8時30分から午後5時
- 受付日:月曜日から金曜日
処方箋の疑義照会について
当院の院外処方箋に関する問い合わせは下記の通りです。
- 保険薬局から成田赤十字病院にご連絡ください。
電話番号:0476-22-2311(代表) - 処方医(不在時は同診療科の代理医師)に直接疑義照会を行ってください。
- 成田赤十字病院薬剤部にご連絡ください。
疑義内容および結果については、Faxを薬剤部までお願いします。
Fax番号:0476-22-2931(調剤課)
- 保険・処方箋期限切れについては、各科外来事務が対応しています。
- 調剤方法などについては、薬剤部にて対応しています。
製剤会社関係者の方へ
院内におけるMR活動について
- 当院では、昨今の医療環境の変化から病院にかかわる企業担当者を適切に把握する目的で担当者事前登録システム(MONITARO)を導入し、2021年4月1日より運用を開始しております。適宜設定等行っていただきますようお願い致します。
- 担当者事前登録システム導入のお知らせ(115キロバイト)
MONITARO手順書(1364キロバイト) - MR活動を行うには、MR活動許可証の携帯が必要ですので、A棟地下1階管財課にて手続きを行い発行してください。
有効期限は、1年です。(申請年度の年度末まで) - 医師等の面会については、病院が定めた規則を遵守してください。B棟2階および3階は立ち入り禁止です。
- 平日8時30分から18時までとし、18時を過ぎたら速やかに病院から退出してください。
医薬品の院内PRについて
注意事項
- 院内PRのためのヒアリングは、製造販売承認取得後の発売日以降で日程を設定します。
- 後発医薬品、後続医薬品について、原則として院内PRを許可しておりません。
許可申請の流れ
- 医薬品の院内PRを行う場合には、医薬品院内PR許可申請書(25キロバイト)に必要事項を記載し、申請書に記載の資料を各1部ずつクリアブックに封入して、薬剤部 医薬品情報課 医薬品情報(DI)担当へご提出ください。(郵送可)
- ご提出する際、お手数ですがメール等で申請書を送付したことをDI担当者へ一報ください。
- いただいた資料の内容を確認させていただき、ヒアリングの日程を設定します。
- 指定させていただいた日時で、ヒアリングを行います。
PowerPoint等で作成したスライドを用いて製品説明をしていただいた後、質疑応答の形式で行いますので、パソコンとプロジェクターをご持参ください。また、添付文書を 1 部ご用意ください。 - ヒアリングの結果、院内PRを許可された場合には、医薬品院内PR許可申請書の複写をDI担当者から受領してください。PR許可期間は、許可日から起算し 2 年間とし、継続する場合には、1 年に限り延長することができます。継続を希望される場合には、再度、医薬品院内PR許可申請書および内容に変更があった資料等をDI担当者にご提出ください。
医師への資料配布について
- 医師への資料配付については、A棟地下1階医薬品情報室にて受け付けております。
- 1医師につき1枚、医師宛資料配付依頼書(13キロバイト)を添付の上、薬剤部 医薬品 情報課DI担当者へご提出ください。(郵送可)
薬事委員会の開催について
- 医薬品等の適正かつ効率的な運用、健全な病院運営を目的として開催しています。
- 審査書類の締め切りは偶数月の25日(土日祝日の場合には翌営業日)です。申請のあった医薬品について資料の手配をMR様にお願いしております。
- 開催日時は、年6回奇数月の第3月曜日、17時からです。
- 審議結果については、採用医薬品情報(内用・外用・自己注射のみ)にて公開しております。
勉強会開催について(薬剤部内)
勉強会を有意義なものとするため以下の流れで開催させていただきます。
- 勉強会を開催していただく場合には、その勉強会の概要について、あらかじめDI担当者へメール等でご提出ください。
- 製薬会社のご担当MR様とDI担当者で勉強会の内容および開催日を調整させていただきます。
治験および臨床研究について
治験および臨床研究関係について詳しく知りたい方は、「治験事務局」および「臨床研究」ページをご覧ください。
薬学部学生の方へ
薬学部・学生実習について
当薬剤部では、年間を通して薬学部実習生を受け入れています。
実習は、実務実習モデル・コアカリキュラム教育目標に即した内容で構成されており、薬剤師業務の基本となる外来・入院調剤はもちろんのこと、無菌操作や病棟活動(服薬指導等)に重点を置いて、臨床の場で学ぶことの重要さを実感して頂ける内容となっています。また、ICU、手術室等、医師や看護師、コメディカル等といった多職種が協働して患者さんの治療を行う現場の見学も予定しています。
当院における実習の特色として、『赤十字病院であること』『成田国際空港に近いこと』から、災害救護をテーマとした講義を取り入れています。
臨床の場を学ぶ場所として、当院で学べて良かったと記憶に残るように、よりよい環境を目指して取り組んでいます。
年間スケジュール
- 1期(2月から5月)
- 2期(5月から8月)
- 3期(8月から11月)
- 4期(11月から翌年2月)
- 第2期から第4期までの受け入れを行っております。
- 各期の具体的な日程については一般社団法人薬学教育協議会のホームページに記載の実務実習実施日程をご参照ください。
実習内容
期間 | 実習内容(概要) |
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1週目 | 薬剤部の業務内容、概略の説明 |
2週目から10週目 | 調剤、DI業務、服薬指導、病棟活動 (手術室見学、糖尿病教室、SGD(討論)、チーム医療、TDM演習、災害救護講義等を含む) |
11週目 | 成果発表(実習で得られた知見についてまとめ、発表を行います。) |
治験・臨床研究について
当院では、院内CRC(臨床研究コーディネーター)が配置されています。院内で実施される治験業務や臨床研究について対応しています。
実習中それらの業務について学ぶこともカリキュラムに組み込まれています。
治験・臨床研究について詳しく知りたい方は、「治験事務局」および「臨床研究」ページをご覧ください。